夢のマイホームの購入を検討する際、「新築」か「中古」のどちらにしたらよいのかで迷われる方は少なくありません。
近年は手頃な価格の中古戸建てを購入し、自分たちのライフスタイルに合わせてリノベーションする方が増えていますが、一方で経年劣化に伴う耐震性や耐久性の低下など中古戸建てならではのデメリットが気になる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、中古戸建てを購入するメリット・デメリットに加え、購入前に押さえておきたい7つの注意点を解説します。購入後の後悔を防ぐためにも、中古戸建てのメリット・デメリットを把握したうえで購入を検討しましょう。
中古戸建てのメリット・デメリット
中古戸建ては、過去に人が住んだことのある家のことです。また、完成してから誰も住んでいない家であっても、築1年以上(フラット35では築2年以上)経過していれば中古戸建てに分類されます。
中古戸建てと聞くと耐震性や品質などに不安を抱く方もいるかもしれませんが、新築と比較して価格が安いなどのメリットがあります。また、中古戸建てのデメリット面を把握しておけば事前に対策を講じられるので、住宅購入後の失敗を防げるでしょう。
ここでは、中古戸建てを購入するメリット・デメリットについて解説します。
中古戸建てのメリット
中古戸建てを購入するメリットとして、主に以下の6つのポイントが挙げられます。
・価格が安い
・家そのものを見て選べる
・住むイメージがわきやすい
・生活環境が事前にわかる
・物件の選択肢が多い
・資産価値が下がりにくい
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
価格が安い
中古戸建てを購入する最大のメリットは、何よりも新築と比較して価格が安い点にあるでしょう。
一般的な木造戸建ての場合、建物の資産価値は築10年で約半分に、築20~25年でほぼなくなってしまうといわれており、物件によっては土地のみの価格で購入できることもあります。購入費用を抑えられる分、リフォームやリノベーションにお金をかけて自分たちの思い通りの住まいを実現することも可能です。
家そのものを見て選べる
家の設計から建築までを一から行う注文住宅には完成後のイメージがつかみにくいデメリットがあるのに対して、中古戸建ては実物を自分の目で確かめてから購入できます。購入前後のイメージのギャップが少なく、住み始めてから「思っていたよりも狭かった」「イメージと違った」などといった後悔をしなくても済む点はメリットといえるでしょう。
住むイメージがわきやすい
まだ前の住人が住んでいる状態の中古戸建てを検討する場合は、家具の配置などから「どのように部屋を使うのか」「どのような生活を送ることになるのか」住み始めたあとのイメージがわきやすい点もメリットのひとつです。
見学を通じて建物の外壁や内装、設備などの劣化状況も確認できるため、購入後にリフォームが必要な範囲の想定がしやすく、資金計画が立てやすいメリットもあります。
生活環境が事前にわかる
日当たりや眺望、風通しはよいか、周辺に騒音や臭いトラブルの原因となり得るものはあるかなど、事前に生活環境を確認できる点も中古戸建てのメリットです。
また内見の際、中古戸建ての所有者に「近隣にはどのような人が住んでいるのか」「近隣の方との関係性はどうか」などについて質問し、穏やかに生活ができそうなことを確認できれば大きな安心感につながるでしょう。
物件の選択肢が多い
住宅に求める条件は人によってさまざまですが、中にはエリアにこだわって家を探している方もいるのではないでしょうか。ただし立地条件がよく、利便性の高いエリアにはすでに多くの家が建ち並んでいるため、新築を希望する場合は条件を満たす家を見つけることは困難といわざるを得ません。
しかし需要の高いエリアであっても中古戸建てであれば売りに出されていることが多く、より希望に合致した家を見つけやすいでしょう。さまざまな選択肢から家を探したい場合には中古戸建てが向いているといえます。
資産価値が下がりにくい
建物は土地と違って時間の経過に応じて劣化するため、新築物件の資産価値は完成直後から下落を始めます。前述のように木造戸建ての資産価値は築20~25年ほどでゼロとなるので、売りに出したとしても購入時の価格では売却できないことがほとんどです。
一方、築年数の古い中古戸建てはすでに資産価値がある程度下がっている状態であり、購入時の価格はほぼ土地代といっても過言ではありません。中古戸建てを購入して住んだとしても資産価値は下がりにくく、もし売却することになった場合でも購入時とほぼ変わらない値段か、経済情勢によっては購入時よりも高値での売却が期待できるでしょう。
中古戸建てのデメリット
ここまで中古戸建てを購入するメリットについて解説してきましたが、一方で以下のデメリットがあるのも事実です。
・新築よりも早く修繕が必要になる/修繕費用が高い
・住宅ローン控除が受けられないことがある
・初期費用が割高になる
・住宅ローンの審査が厳しくなる可能性がある
・デザインや設備が古い住宅が多い
中古戸建てを購入する際は、メリットだけではなくデメリットにも目を向けたうえで検討することをおすすめします。
新築よりも早く修繕が必要になる/修繕費用が高い
築年数が経過した中古戸建ては新築よりも建物や設備の劣化が進んでいるため、どうしても雨漏りなどの不具合や設備の故障などが生じがちです。中古戸建てで快適な生活を送るためには修繕工事や定期的なメンテナンスが欠かせません。
新築物件購入時には必要とならない修繕費や維持費などの経費がかかる点は頭に入れておかねばならないでしょう。
住宅ローン控除が受けられないことがある
住宅ローンを利用して中古戸建てを購入した場合、一定の要件を満たせば毎年末の住宅ローン残高の0.7%を10年にわたって所得税から控除できる「住宅ローン控除」を利用できます。所得税から控除しきれなかった金額は住民税からの控除が可能です。
ただし、購入する中古戸建てが1982年以降に建築された新耐震基準適合住宅でなければ住宅ローン控除を利用できません。住宅ローンを組んで中古戸建てを購入する際には築年数に注意しましょう。
住宅ローン控除の適用条件については後述する「住宅ローン控除が利用できる物件かどうか」で詳しく解説しているので、参考にしてください。
初期費用が割高になる
中古戸建て購入時には物件代に加え、購入した不動産を自分名義にする「所有権移転登記」や金融機関の抵当権を設定する「抵当権設定登記」などの登記手続き時に納める登録免許税、火災保険料、住宅ローンを借りる際の保証金・事務手数料などの諸費用がかかります。
諸費用の中で最も大きな割合を占めるのが「仲介手数料」です。仲介手数料は不動産会社を通じて物件を購入した際に支払う成功報酬で、宅地建物取引業法により上限金額が以下のように設定されています。
不動産売買価格(税抜) | 仲介手数料の上限額 |
200万円以下の部分 | 5%+消費税 |
200万円を超え400万円以下の部分 | 4%+消費税 |
400万円を超える部分 | 3%+消費税 |
たとえば中古戸建ての購入価格が2,000万円だった場合の仲介手数料の上限金額は、「200万円×5%×10%+200万円×4%×10%+1,600万円×3%×10%=72万6,000円」です。
ただし、仲介手数料は注文住宅や売主が不動産会社である新築住宅購入時には発生しません。中古戸建てを購入する際、新築よりも初期費用が高くついてしまう点はデメリットといえるでしょう。
なお、新築の建売住宅などを不動産会社の仲介を通じて購入する場合は仲介手数料が発生します。
住宅ローンの審査が厳しくなる可能性がある
住宅ローンを利用して購入した住宅には、融資を受けた金融機関による抵当権が設定されます。抵当権は簡単にいえば「担保」のことで、万が一住宅ローンの返済が滞った際、金融機関は抵当権を実行して該当不動産を強制的に売却し、売却金額をローン返済額に充当できます。
そのため、金融機関は住宅ローンの審査を行う際に不動産の価値が融資希望金額に見合っているかを厳しくチェックします。融資金額の上限は不動産の担保評価によって変わるので、資産価値のない中古戸建ての場合は希望する金額の融資を受けられない可能性がある点に注意が必要です。
デザインや設備が古い住宅が多い
住宅のデザインには流行り廃りがあるので、築年数の古い中古戸建ての中には現在の流行とはかけ離れた外観や間取りのものも存在します。また、経年劣化に伴う住宅設備の老朽化も避けられません。
購入した中古戸建てにリフォームやリノベーションを施したうえで住み始めるのであればそこまで気にはならないかもしれませんが、現状のまま住む場合は住宅設備の利用は可能か、使い勝手のよい間取りかなどを検討する必要があるでしょう。
中古戸建て購入の失敗談
中古戸建てとはいえ、購入時には相応の費用が発生します。マイホームを購入するにあたり、なるべく失敗したくないと考える方は多いのではないでしょうか。そこでここでは、実際に中古戸建てを購入した方の失敗談をご紹介します。満足のゆく物件を購入するためにも、失敗例を参考とし、どのような点に気をつければよいのかを把握しておきましょう。
設置されている住宅設備のグレードが低く劣化が早かった
中古戸建ての中には、売主側でリフォームを実施しているものもあります。その場合は住宅設備が一新されていることが多く、思わず見た目の新しさに目を奪われがちです。
しかし、浴室やトイレなど水回りスペースに設置されていた製品のグレードが低かったために劣化が早く、結局設備の交換を余儀なくされたという声も聞かれます。すでにリフォーム済みの中古戸建てを購入する際は、使われている設備の品質も確認するようにしましょう。
断熱性など基本的な性能が低い
実際に住まないとわからない住宅性能のひとつが「断熱性」です。たとえば春に内見を行って物件を購入したものの、冬になって初めて断熱性が低いことに気がつくケースもあります。
断熱性が低いと外気との気温差により結露が発生しやすく、室内の壁にカビが発生してしまいかねません。また、壁の内側にも結露が生じると構造材が腐ったり、湿気を好むシロアリが発生したりして建物全体の耐久性にも影響を及ぼすリスクがあります。
中古戸建ての購入時にはどうしても間取りや立地、価格などに目が行きがちですが、家の性能面も確認することが大切です。
思っていた以上に間取りが使いにくかった
間取りの使い勝手も住んでみなければわからないポイントのひとつです。内見時には使いやすそうと感じても、実際には使いにくかったというケースも少なくありません。
また、ドアの間口にも要注意です。人の行き来がしやすいかだけではなく、現在使用している、もしくは購入を検討中の家具が搬入できるかも検討しましょう。
内見時に欠陥に気がつかなかった
中古戸建てである以上、ある程度の欠陥はつきものです。契約書にも、具体的な欠陥内容やその欠陥についての責任を負わない旨が記載される形が一般的です。
しかし、内見時にそこまで細かい欠陥について確認することは難しいでしょう。実際、住んでみて初めて欠陥があることに気がついたという方もいます。
基本的に中古戸建ての売主は買主に対して契約不適合責任を負わなければならないので、契約書に記載されていない不具合が見つかった場合、買主は売主に対して修繕や損害賠償などを請求できます。しかし契約書に記載されている不具合に関しては請求できないので、購入前には見た目だけでなく、ドアの開け閉めは問題ないか、給排水管から水漏れはしていないかなど念入りに確認することをおすすめします。
中古戸建て 購入時の注意点①:費用面
中古戸建てのメリットとデメリットを踏まえたうえで、新築ではなく中古戸建ての購入を前向きに検討したいと考える方もいるでしょう。そこでここからは、中古戸建て購入時に押さえておきたい6つの注意点を解説します。まずは費用面において気をつけておきたいポイントを見ていきましょう。
物件価格以外に発生する費用はご存知ですか?
中古戸建てを購入する際、物件価格を気にする方は多いでしょう。しかし実際には物件価格以外にもさまざまな費用が発生する点に注意が必要です。どのような費用が必要なのか、詳しく解説します。
発生する費用の種類
中古戸建てを購入するときに発生する物件価格以外の費用には、主に以下のものがあります。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記手続きに伴う登録免許税
- 住宅ローン事務手数料
- 住宅ローン保証料
- 火災保険料
- 不動産取得税
- 固定資産税・都市計画税精算金
仲介手数料は前述のように不動産会社の仲介を通じて物件を購入した際にかかる費用です。印紙税は不動産売買契約書や住宅ローン借り入れ時の金銭消費貸借契約書などの課税文書に課される税金のことで、契約書に記載された金額に応じて税額が定められています。
購入した物件を自分の名義にするためには所有権移転登記、金融機関の抵当権を物件に設定するときには抵当権設定登記を行う必要があり、それぞれ登録免許税を納めなければなりません。登記手続きを司法書士に依頼する場合は別途司法書士へ支払う報酬が発生します。
住宅ローンを借りる際には事務手数料や保証会社へ支払う保証料、火災保険に加入する際には火災保険料も必要です。
新たに不動産を購入した際には不動産取得税を納める必要もあります。不動産にかかる固定資産税や都市計画税は毎年1月1日時点における不動産所有者に課される税金ですが、所有日数に応じて買主と売主とで案分する形が一般的です。
モデルケース
それでは物件価格以外にどのくらいの費用がかかるのか、以下のケースを例に挙げて見ていきましょう。
中古戸建て購入価格:2,000万円(固定資産税評価額は土地、建物ともに500万円と仮定)
住宅ローン借入額:1,500万円
このモデルケースにおいて必要な諸費用は次の表の通りです。なお金額はあくまでも目安であり、購入する物件の条件や金融機関、保険会社などによって異なる点に注意してください。
費用名 | 金額 |
仲介手数料 | 72万6,000円 |
印紙税 | 2万円(不動産売買契約書・金銭消費貸借契約書2通分。軽減税率適用時) |
登録免許税 | 所有移転登記:9万円(軽減税率適用時) 抵当権設定登記:1万5,000円(軽減税率適用時) 司法書士への報酬:5万円 |
住宅ローン事務手数料 | 33万円(大手銀行の場合) |
住宅ローン保証料 | 34万2,000円(大手銀行の場合) |
火災保険料 | 13万円 |
不動産取得税 | 0円(軽減措置が適用されると税金がかからないケースもある) |
固定資産税・都市計画税精算金 | 3万3,500円(買主と売主で案分すると仮定) |
上記のモデルケースでは、物件価格以外に約174万円の費用が発生していることがわかります。これらは原則現金で支払う必要があるため、中古戸建てを購入する際は頭金以外にも物件価格の1割ほどの自己資金を用意しておきましょう。
土地から購入する場合は他の諸費用も
土地から購入して家を建てる場合は、上記の諸費用に加えて土地の購入費、建物の建築代金、所有権保存登記に伴う登録免許税、地盤調査費、建築確認申請費用などが必要です。また、建築時に地鎮祭や上棟祭を行う際には別途数十万円ほどの費用がかかります。
補助金・控除が受けられる対象?
購入する中古戸建てが補助金や控除が受けられる対象であるかどうかを確認することも重要です。自治体によっては中古戸建て購入時に補助金を支給しているところもあるので、事前にチェックしておきましょう。
また、中古戸建ての購入時に住宅ローンの利用を考えている場合は、住宅ローン控除の対象であるかどうかも確認しておく必要があります。
住宅ローン控除が利用できる物件かどうか
前述のように、中古戸建ての購入時に住宅ローンを利用した場合も住宅ローン控除の適用を受けられます。住宅ローン控除を利用できれば最大で140万円の控除を受けられるので、相当の節税につながるでしょう。
ただし、住宅ローン控除を利用するには以下の条件を満たしている必要があります。
- 中古戸建ての取得後6か月以内に入居し、この控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること
- 住宅の床面積が50㎡以上かつ、床面積の2分の1以上を自己の居住用として利用すること
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
- 10年以上の住宅ローンを組むこと
- 居住年およびその前後2年の5年間に「居住用財産の譲渡所得の特別控除」「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」などの特例が適用されていないこと
- 生計をともにしている親族などからの取得ではないこと
- 贈与による住宅の取得ではないこと
- 1982年1月1日以後に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)であること
とくに注意が必要なのは、築年数の要件です。住宅ローン控除を利用したい場合は、1982年以後に建築された中古戸建てを選択しましょう。なお、1981年以前に建築された住宅であっても、耐震補強工事を施して現行の耐震基準を満たしている場合は住宅ローン控除の対象となります。
中古戸建て購入時の注意点②:不動産会社選び
中古戸建て購入時に押さえておきたい2つ目の注意点は、不動産会社選びです。一口に不動産会社といっても、新築物件の売買を得意としているところがあれば中古戸建ての仲介に強いところがあるなどさまざまです。
また中古戸建てであっても、マンションの扱いには長けているが戸建てには精通していない会社もあるので、中古戸建てを購入する際は中古戸建ての取り扱いに慣れた不動産会社を選択するようにしましょう。
中古物件に慣れていない不動産会社の特徴
それでは、中古戸建ての取り扱いに慣れていない不動産会社にはどのような特徴があるのでしょうか。
購入希望者から中古戸建て探しの依頼を受けた不動産会社の営業担当者には、中古戸建て特有のリスクや資産価値などの見極め、住宅購入時に利用できる軽減措置などといった幅広い知識が求められます。
しかし中古戸建ての取引経験や実績の少ない営業担当者の場合、売主が負う契約不適合責任の期間や住宅の欠陥箇所の有無などについてきちんと説明してくれず、のちのトラブルにつながりかねません。
また、2018年4月の宅地建物取引業法の改正により、中古戸建ての取引を行う際には買主に対してホームインスペクション(住宅診断)制度の説明と実施要望の確認などが義務化されています。ホームインスペクションとは専門家による建物の劣化状況の検査のことで、必ずしも実施しなければならないわけではありません。
しかし中古戸建てにはある程度の欠陥がつきものなので、中古戸建ての取引に長けた不動産会社であればホームインスペクションの実績数も豊富な傾向にあります。一方、中古戸建てに慣れていない不動産会社の場合は積極的にホームインスペクションを勧めてはくれないでしょう。
購入した中古戸建てに欠陥が見つかった際に保険金で修繕できる既存住宅売買瑕疵保険への加入も任意のため、制度に関する知識が乏しい不動産会社では提案してくれない可能性があります。
不動産エージェント選び
中古戸建て購入の失敗を防ぐためには、中古戸建ての扱いに精通しており、かつ信頼のおける不動産会社に相談することが重要です。
不動産会社を選ぶ際は、中古戸建ての仲介実績は豊富か、中古戸建てを購入するメリットに加えてデメリットもしっかりと説明してくれるか、こちらの要望をヒアリングしたうえで適切な中古戸建てを紹介してくれるか、契約後のトラブルを防ぐためのアドバイスをしてくれるかなどのポイントを確認するようにしましょう。
中古戸建て購入時の注意点③:物件情報
中古戸建ての購入時に押さえておきたい3つ目の注意点は物件情報です。とくに「築年数」「立地条件」「耐震性」についてはしっかりと確認しましょう。また、住宅ローンの利用を考えている場合は、住宅ローンを組める物件であるかどうかのチェックも必要です。
狙い目の築年数は築10-15年
中古戸建ての購入を検討しているのであれば、築10~15年ほどの物件がおすすめです。木造の場合は築10年ほど経過すると建物の資産価値がおよそ半分になるので、比較的安価での購入が可能です。しかし建物自体に目立った傷みがあるわけではなく、リフォーム代も抑えられるでしょう。
建物自体の性能が優れている点も特徴です。現行の耐震基準(新耐震)は1981年に改正された建築基準法に基づきますが、2000年6月にも法改正が行われ、木造住宅の建築において地盤調査や柱・筋交いの接合方法、耐力壁の配置のバランスなどが細かく定められました。
また、2000年4月以降に建てられた家は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の対象でもあるので、それ以前の住宅よりも構造部や屋根などの性能が高い特徴があります。
築年数に応じた補修が行われているか?
建物には構造や用途に応じて法定耐用年数が定められています。たとえば木造住宅であれば22年、軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm以下)であれば19年です。
法定耐用年数が過ぎると税務上の資産価値がゼロとなりますが、決して住めなくなるというわけではありません。必要に応じて定期的なメンテナンスが行われている家であれば、耐用年数を過ぎていたともしても快適な生活を送れるでしょう。
そのため築年数の古い中古戸建てを購入する場合は、過去にどのような補修やリフォームを行ったのかが記載された修繕履歴を確認することをおすすめします。
資産価値は立地も大事
終の住み処として中古戸建てを購入したとしても、転勤や家族構成の変化などさまざま理由で住み替えを検討することもあるでしょう。中古戸建ての場合、建物の資産価値は時間とともに下がっていきますが、土地の資産価値はそこまで大きく変動することはありません。大規模開発などが行われれば地価の上昇が期待でき、購入時よりも高い価格で売却できる可能性も十分あります。
中古戸建ての将来的な資産価値は立地に左右するといっても過言ではありません。基本的に誰もが住みたいと考えるエリアは資産価値が高い傾向にあるため、資産価値の高い中古戸建てを購入したい場合は立地に注目して探すとよいでしょう。
資産価値が高い立地の特徴① 都心である
利便性のよい都心のほうが郊外よりも資産価値が高い傾向にあります。都心部やその周辺といった資産価値の上昇が見込まれるエリアに建つ中古戸建てであれば、将来的な資産価値の向上が期待できるでしょう。
資産価値が高い立地の特徴② 郊外でも、「立地適正化計画」に組み込まれている
たとえ郊外であっても、市区町村が設定している「立地適正化計画」に組み込まれたエリア内は今後も自治体によるインフラや公共サービスの提供が期待できるため、中古戸建ての資産価値も下がりにくいでしょう。立地適正化計画エリア内かどうかは自治体のホームページで確認できるので、中古戸建てを探す際にチェックすることをおすすめします。
資産価値が高い立地の特徴③駅からの距離が近い
駅から物件までの距離も資産価値に影響を与える要素のひとつです。駅からの距離が近いことに加え、複数路線を利用できるなど交通アクセスがよい、周辺に商業施設や学校、病院、公園といった生活の利便性に直結する施設が揃っているエリアは人気が高く、資産価値も落ちにくいといえます。
耐震基準はもちろん重要
地震大国の日本にあって、地震対策は欠かせません。中古戸建てを購入するときには地震発生時にも耐えられる強度を備えているかどうかもしっかりと確認するようにしましょう。
耐震基準
現行の耐震基準は1981年6月に改正された建築基準法に基づいており、1981年6月以前に建てられた家は「旧耐震基準」、それ以降に建てられた家は「新耐震基準」と分類されています。新耐震基準に則って建てられている家は一定の耐震性能を備えていると判断してよいでしょう。
また、木造住宅に関しては2000年6月に改正された建築基準法が適用されるので、それ以降に建てられた木造の中古戸建ては、より耐震性能に優れているといえます。
旧耐震物件を購入するときのポイント
旧耐震基準で建てられた家であっても、耐震補強工事を行っており、現行の耐震基準を満たしていることを証明する「耐震基準適合証明書」が発行されていれば問題はないでしょう。
また、旧耐震物件にリフォーム・リノベーションを行って住みたいと考えている場合は、購入前に専門機関による耐震診断を実施できるかどうかを確認するとともに、どのくらいの工事費用がかかるのかを見積っておきましょう。
住宅ローンを組める物件か
中古戸建ての中には、現行の建築基準法の基準を満たしていないものもあります。このような物件の購入時は住宅ローンを組めない可能性があるので、注意が必要です。中古戸建てを購入する際は、住宅ローンの利用条件を満たしているかどうかも確認しておきましょう。
違法建築
家を建てる際は、建築基準法で定められたさまざまな条件を守らなければなりません。しかし、中古戸建てによっては建築後に増改築を行った結果、建ぺい率や容積率がオーバーして違法建築になっているケースがあります。
違法建築の住宅に対して住宅ローンを貸し出してくれる金融機関はほぼありません。住宅ローンを借りて中古戸建てを購入しようと考えているのであれば、該当物件が違法建築か否かを事前に確認しておくことが重要です。
再建築不可
建築基準法では、家を建てる際は敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないと定められています。接道義務を満たしていない家は建て替えができないことから「再建築不可物件」と呼ばれます。
再建築不可物件は資産価値がほぼないに等しいため、やはり住宅ローンを組むのは困難といわざるを得ません。販売価格の安さに惑わされることなく、接道義務を満たしているかどうかを確認しましょう。
要セットバック
前述のように、家を建てるには敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接している必要があります。しかし、幅員が4mに満たない道路はいまだ多く存在するのが現状です。
このような道路に接している中古戸建ての場合、家を建て替える際に土地の一部を道路の中心線から2mの位置にまで後退させなければなりません。これを「セットバック」といいます。現状では接道義務を満たしていないため、住宅ローン審査も通りにくいでしょう。
セットバックを行えば建て替えできるようになりますが、セットバック部分は道路と見なされるので、敷地が狭くなってしまう点に注意が必要です。
耐震性
現行の耐震基準を満たしている中古戸建てであれば問題ありませんが、旧耐震基準の家を購入する場合は住宅ローンを借りられないことがあります。旧耐震物件を選択肢のひとつとして検討しているときは、事前に住宅ローンの利用が可能かどうかを金融機関に確認しておきましょう。
希望条件(融資額・期間)にならないことがある
中古戸建ては新築物件と比較すると担保としての価値が低いため、希望の融資額を借りられない可能性があります。また、返済期間を短く設定されるケースも少なくありません。
返済期間が短いと毎月の返済額の負担が大きくなりかねないため、住宅ローンを利用して中古戸建てを購入する場合は融資金額・返済期間の制限を確認したうえで、無理のない返済が可能かどうかをシミュレーションしましょう。
中古戸建て購入時の注意点④:内覧時
中古戸建ての購入には内覧が欠かせません。購入後の後悔を防ぐためにも、実際に自分の目で建物の現状や欠陥の有無などを確認し、納得したうえで購入を決断しましょう。
ここでは内覧時に押さえておきたいポイントを4つご紹介します。
内覧日は雨の日に予約しよう
外観や内装、設備の欠陥についてはある程度目視でチェックできますが、構造など目に見えない箇所の不具合については確認ができません。
とくに注意しなければならないのが雨漏りです。雨漏りを放置すると構造部材が腐ったり、金属部分が錆びて劣化したり、湿気によってカビやシロアリが発生したりと家の耐久性を大きく損ないかねません。
そのため、中古戸建ての内覧は雨の日に行うことをおすすめします。雨の日に現場を確認することで、雨漏りや床下浸水の有無、敷地の水はけ具合など晴れた日にはわからない事実に気がつけるでしょう。
壁や基礎にひび割れはないか?
中古戸建ての内覧時には、壁や基礎の劣化具合を調べることも大切です。壁や基礎をチェックする際のポイントをそれぞれ見ていきましょう。
壁
中古戸建ての外壁がひび割れていると、そこから雨水が建物の内部に侵入し、外壁内部や構造躯体などが腐食しかねません。家の耐久性や耐震性が低下するリスクがあるので、中古戸建ての購入時には外壁の状態も確認しましょう。
基礎
家の基礎は建物全体を支える大切な構造のひとつです。しかし施工不良や経年劣化、不同沈下などによって基礎のコンクリートがひび割れを起こしているケースも少なくありません。
基礎をチェックした際に0.5mm以上のひび割れが確認できる場合は、地震発生時に倒壊のリスクがあるため注意が必要です。
水回り・電気設備・断熱性能は要チェック
中古戸建ての室内を見学する際は間取りや部屋の雰囲気に目を奪われがちですが、水回りや電気設備のチェックも入念に行いましょう。また、中古戸建てで快適な生活を送るためには、断熱性能やシロアリ被害の有無について確認することも大切です。
水回り
水回り設備の寿命は10~20年といわれているので、中古戸建てに備えつけられている設備の多くは交換時期を迎えているといってもよいでしょう。リフォームは必要か、リフォーム費用はどのくらいかかりそうかを念頭に置きつつ、水漏れはしていないか、水道から錆び水が流れてこないか、給排水管は詰まっていないかなどを細かく確認します。
電気設備
築年数の古い中古戸建ての場合、契約しているアンペア数が少ないケースがあります。快適な暮らしを送るには電気は欠かせないため、電気の容量を上げられるか、配線工事は可能かなどを確認しておく必要があります。
断熱性能
中古戸建ては新築物件に比べて断熱性能が低いといわざるを得ません。住宅に求められる省エネルギー基準は「昭和55年基準(断熱等級2)」「平成4年基準(断熱等級3)「平成28年基準(断熱等級4)」と年代を経るごとに要件が厳しくなっているため、断熱性能に優れた中古戸建てを購入したい場合は断熱等級にも目を向けるとよいでしょう。
シロアリ
木造住宅に長期にわたって快適に住むにはシロアリ対策が不可欠です。築年数の古い中古戸建ての場合はシロアリがすでに巣食ってしまっているケースも少なくありません。床がたわんでいたり、天井や壁にカビが発生していたりする場合はシロアリが発生している可能性があるため、注意が必要です。
シロアリに構造部材を食べられてしまうと倒壊のリスクが高まるので、購入前に専門家にチェックを依頼すると安心です。
内覧時の注意点にご不安なら:ホームインスペクションを頼む
屋根裏や床下、内部構造の欠陥などは自分の目では確認できません。購入前に徹底した調査をしたい場合は、専門家にホームインスペクション(住宅診断)を依頼するのもひとつの方法です。
ホームインスペクション
ホームインスペクションは住宅診断士などの専門家が住宅の劣化状況や不具合箇所などを調べてくれる検査のことです。購入前に検査を依頼すれば、より安心して取引を行えるでしょう。また、リフォームが必要な範囲がわかるので、資金計画を立てやすいメリットがあります。
中古戸建て購入時の注意点⑤:隣人について
隣人について調べる方は少ないのですが、実は引越し後の環境にとってとても重要です。
他のすべての条件が良くても、モンスタークレーマーがいる、自分のライフスタイルに対して不寛容な方がいる、子供に危害を加えそうな不審者がいる、犯罪が多いなどの土地に引っ越してしまうと、常に警戒しながら心が休まらない日々を送ることになってしまいます。
そうならないためには、隣人についても調べておいて損はないでしょう。
隣人についてどうやって調べれば良いの?
弊社では、近隣トラブルを予防するために「近隣調査のトナリスク」というサービスを行っています。
近隣トラブルが起こりそうな土地かどうかを購入前に下調べすることで、近隣トラブルが起こる確率を下げられると考え、サービスを提供しています。
ご興味がある方は、一度ご検討ください!
中古戸建て購入時の注意点⑥:契約内容確認時
内見などを通じて価格、立地ともに気に入った中古戸建てが見つかったら、売主と売買契約を締結します。契約後の後悔を防ぐためにも、中古戸建てならではの注意点を押さえておきましょう。
契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)
民法上、売主は買主に対して契約不適合責任を負わなければなりません。契約不適合責任とは、引き渡された目的物が契約内容と合致していない場合に売主が買主に負う責任のことです。中古戸建てを購入したのちに契約書に記載されていない不具合が見つかった場合、買主は売主に対して損害賠償や契約の解除などを請求できます。
ただし個人間売買の場合、売主が契約不適合責任を負う期間は3か月ほどに設定されることが一般的です。中には契約書に「売主の契約不適合責任を免責する」旨が記載されているケースもあるので、契約時には契約書にしっかりと目を通し、契約不適合責任の期間や範囲などを確認しておくことが重要です。
解約手付・ローン特約はないか
中古戸建ての契約を交わす際には、解約手付やローン特約の有無についても確認しておきましょう。
解約手付は買主が売主に支払う手付金の一種で、買主は手付金を放棄、売主は手付金の倍額を返金することで契約の解除が可能です。解約手付は一般に売買金額の5~10%ほどが相場ですが、金額に関してとくに明確な規定が定められているわけではありません。あくまでも売主と買主の合意によって決定されるものなので、契約時には解約手付の金額についても確認しておく必要があります。
一方、ローン特約とは買主が金融機関の審査に通らなかった場合に売買契約が解除される仕組みを指します。解約手付とは異なり、契約時に支払った手付金は全額買主の手元に戻ってくるので、大きな安心感につながるのではないでしょうか。住宅ローンを組んで中古戸建てを購入しようと考えている場合は、ローン特約を設定できるかどうかを確認しましょう。
住宅ローンの契約
中古戸建てを購入する際は住宅ローンを組む形が一般的です。住宅ローンの契約にあたって押さえておきたい2つのポイントと、実際に借りる際の流れを見ていきましょう。
返済に余裕を持った契約になっているか
前述のように中古戸建ては担保価値が低いため、必ずしも希望金額のすべてを借りられるとは限りません。また、返済期間が短く設定されることがある点にも注意が必要です。
住宅ローンを借りる際は、購入予定の中古戸建てに対してどのくらいの金額を借りられるのか、返済期間の上限は何年かを確認するようにしましょう。また、大切なマイホームを手放す羽目にならないよう、収入に対して毎月無理なく返済できる金額を設定することが大切です。
リフォーム費用の借り入れも可能か
リフォームを前提として中古戸建てを購入する場合は、物件の購入費用とリフォーム費用を合わせて住宅ローンを組むことが可能かどうかを金融機関に確認することをおすすめします。
リフォーム費用のみを借り入れするリフォームローンの金利は住宅ローンよりも高く設定されているため、返済総額が増えてしまうデメリットがあります。返済負担をなるべく抑えたい場合は、リフォーム費用も住宅ローンで借りられる金融機関を選びましょう。
ご参考:中古戸建て購入時の住宅ローン手続き流れ
中古戸建て購入時の住宅ローン手続きは以下の流れで進みます。
- 不動産売買契約前に金融機関へ事前審査を申し込む
- 事前審査に通ったら物件購入を申し込む
- 不動産売買契約を締結する
- 金融機関へ本審査を申し込む
- 本審査に通ったら金融機関と住宅ローン契約を結ぶ
- 物件の引き渡しと同時に住宅ローンが実行される
住宅ローンの手続きは物件購入と並行して進めていく形が一般的のため、不動産会社に中古戸建て探しを依頼すると同時に、金融機関探しを進めましょう。不動産会社から提携している金融機関を紹介してもらえることもあります。
中古戸建て購入時の注意点⑦:リフォーム・リノベーションを行う場合
購入した中古戸建てにリフォームやリノベーションを行うことで、自分好みの家へと生まれ変わらせることができます。しかしメリットばかりではなくデメリットもあるため、リフォームやリノベーションを考えている場合はメリットとデメリットを踏まえたうえで検討することが大切です。
リノベーションのメリット
まずは中古戸建てをリノベーションするメリットを見ていきましょう。
既存の構造を活かせる
リノベーションは建て替えとは違って既存の構造を活かせるので、総建築コストを抑えられます。また、資金計画に合わせてリノベーションの範囲や仕様を選択できる点もメリットといえるでしょう。
再建築不可物件でも、セットバックの必要なし
購入した中古戸建てが再建築不可物件だった場合は、セットバックをしない限り建て替えられません。しかし2階建て以下・延べ床面積500㎡以下の木造住宅の場合はセットバックをしなくても大規模なリノベーションが可能です。
セットバックをすると敷地面積が減少した分、建てられる建物の面積も減ってしまいますが、現状の広さのまま間取りや設備などを一新できる点はリノベーションならではのメリットです。
理想の住まいをデザインできる
リノベーションでは間取りや内装、設備などをすべて作り替えるので、建て替え同様、自分たちのライフスタイルに合った理想の住まいを実現できます。構造部分を補強すれば耐震性や耐久性も高められるため、中古戸建てならではのデメリットを補うことも可能です。
リノベーションのデメリット
リノベーションにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットが存在する点も押さえておく必要があります。
リノベーションする分建売より入居までに時間がかかる
新築の建売住宅を購入する場合は引き渡し後すぐに入居できますが、リノベーションを行う場合は工事期間として3~4か月ほどは見積っておく必要があるでしょう。リノベーション工事が終わるまでの間の住居を確保しておかなければならない点はデメリットといえます。
状態によっては高額な費用がかかる
一口に中古戸建てといっても老朽化や劣化の度合いは物件ごとに異なります。物件の状態があまりにもひどい場合は構造の補強工事が追加で発生し、結果的にリノベーション費用が高くついてしまうケースもあるでしょう。想定外の費用が発生した場合を考慮し、余裕を持った資金計画を立てておくことが大切です。
リフォームの注意点
築10~15年ほどの中古戸建てであれば、設備の交換などのリフォームを行う程度で住み始められるケースもあります。リノベーションよりも費用を抑えられる点はメリットといえますが、リフォームを行う際には以下の2つのポイントに注意が必要です。
半端にやると後から後悔する
中古戸建てのリフォームは一度に行うことをおすすめします。
たとえば、購入時に水回りスペースの壁や床、設備を交換した場合で考えてみましょう。中古戸建てには欠陥がつきもののため、配管から水漏れが発生しているケースも考えられます。しかし水回りスペースや設備を新調したあとで配管工事を行うとなると、壁や床をはがさなければならず、二度手間となってしまいかねません。
中途半端なリフォームを行うと無駄な手間や時間、費用をかけることになる恐れがあるため、リフォームが必要な箇所をすべて洗い出したうえでまとめて工事を依頼しましょう。
見積りよりも、費用が高くなることがある
リノベーション同様、物件の状態によっては見積り時よりも多額のリフォーム費用が発生することもあり得ます。リフォーム会社に見積りを依頼する際には、追加で工事が必要になることはあるか、その際の費用はいくらかかるのかなども合わせて確認しておくとよいでしょう。
リフォームを想定した物件選び
リフォームを前提として中古戸建てを購入する場合は、リフォームがしやすいか、違法建築ではないか、リフォーム費用はいくらかかるのかなどを想定したうえで物件を探しましょう。
リフォームのしやすさ
リビングと和室の間の壁をなくしてひと続きの部屋にしたいと考えていても、物件の構造によっては構造耐力上必要な柱や壁を取り払えない場合があります。とくに壁で家を支える2×4(ツーバイフォー)工法の場合、一般的な木造軸組工法と比較して間取り変更の自由度が低いので注意が必要です。
中古戸建てを購入する際は、リフォームがしやすい家かどうかも検討しましょう。
違法建築に注意
建ぺい率や容積率がオーバーしているような違法建築物件であってもリフォームは可能ですが、増改築を行うには違法に該当する箇所を修繕しなければなりません。このような違法建築物件の購入時には住宅ローンを利用できない場合があるので、リフォーム費用を含めて住宅ローンの借り入れを検討している場合は要注意です。
余計な手間を省くためにも、中古戸建ての購入前に違法建築かどうかを確認しておきましょう。
リフォーム費用
中古戸建てのリフォームには、想定外の費用が発生することがあります。当初考えていた予算以上の費用がかかるケースも珍しくないため、中古戸建ての購入費用に加えてどのくらいの金額をリフォームに割り当てられるかを考えたうえで資金計画を立てることをおすすめします。
追加費用が発生することを想定し、予算にゆとりを持たせるといざというときに慌てずに済むでしょう。