マイホームの購入は、多くの方にとって人生最大の買い物といえます。だからこそ、「失敗したくない」「後悔したくない」と考える方は少なくありません。
しかし、新築一戸建てを購入するにあたってどのような点に気をつければよいのかが分からない方も多いのではないでしょうか。また、新築といっても注文住宅と建売住宅のどちらにしたほうがよいのか、選択に悩んでいる方もいるでしょう。
そこでこの記事では、新築一戸建てを購入するメリット・デメリットに加え、建売住宅と注文住宅のメリット・デメリット、購入時に押さえておきたい注意点と対策を合わせてご紹介します。理想の住まいを購入するためにも、ぜひ参考にしてください。
- 新築一戸建ての基礎知識
- 新築一戸建てのメリット・デメリット
- 購入方法(建売・注文)
- 建売・注文のメリット・デメリット
- 建売のメリット1|実物なら完成物を見てから購入できる
- 建売のメリット2|決断してから購入までがスピーディー
- 建売のメリット3|注文住宅より安価に抑えられる
- 建売のメリット4|注文住宅よりも販売数が多いので選択肢が多い
- 建売のデメリット1|仕様が低ランクの場合がある
- 建売のデメリット2|施工中の工事監理が雑なことが多い
- 建売のデメリット3|希望の間取りや仕様が反映されない
- 建売のデメリット4|受領できる設計図面が少ない
- 注文のメリット1|自由に内装や間取りを設定できる
- 注文のメリット2|好きな場所に住める
- 注文のメリット3|希望の施工会社を指定できる
- 注文のメリット4|設計図面をすべてもらえるのでリフォーム時など便利
- 注文のデメリット|希望の土地を探すのが大変
- 注文のデメリット2|土地探し~入居までの期間が長い
- 注文のデメリット3|土地代のみ先に支払う必要がある
- 注文のデメリット4|建売に比べ費用がかかる
- 建売住宅を分譲する会社の種類
- 建売住宅購入の流れ
- 注文住宅購入の流れ
- 費用・期間の目安
- 新築一戸建て購入の失敗談
- 新築一戸建て購入の注意点・対策
- 【まとめ】新築一戸建て購入の対策
新築一戸建ての基礎知識
まずは、新築一戸建てを購入する際に知っておきたい以下7つの基礎知識について解説します。
・新築一戸建てのメリット・デメリット
・購入方法(建売・注文)
・建売・注文のメリット・デメリット
・建売住宅を分譲する会社の種類
・建売住宅購入の流れ
・注文住宅購入の流れ
・費用・期間の目安
マイホームの購入前に建売住宅と注文住宅のメリット・デメリット、購入の流れ、費用・期間の目安を把握しておくことで、マイホーム計画をスムーズに進められるようになるでしょう。
新築一戸建てのメリット・デメリット
夢のマイホームを購入するのであれば、中古ではなく新築、マンションではなく一戸建てがよいと考えている方も多いでしょう。しかし、新築一戸建てにはメリット面ばかりではなく、さまざまなデメリットが存在するのも事実です。購入後の後悔を防ぐためにも、新築一戸建てにはどのようなメリット・デメリットがあるのかを確認しておきましょう。
メリット1|広い家に住める
住宅金融支援機構の調査によると、フラット35利用者が購入した住宅の平均面積は注文住宅で124.4㎡(約37坪)、建売住宅で101.1㎡(約31坪)、新築マンションで66.2㎡(約20坪)です。坪数に換算すると、新築一戸建てとマンションとで10〜15坪ほど違うことが分かります。
60㎡台のマンションの間取りはファミリーサイズの3LDKがメインですが、新築一戸建ての場合はさらに部屋数を確保することが可能です。世帯人数が多く、子ども一人ひとりに個別に部屋を与えたい、夫婦それぞれの部屋がほしい、仕事用の部屋を確保したい際には新築一戸建てが向いているといえるでしょう。
メリット2|上下階の騒音トラブルを防げる
マンションに住むにあたって騒音問題は避けられません。とくに小さな子どものいる家庭では、子どもの泣き声や走り回る足音などで上下階、および左右の部屋に住んでいる方に迷惑をかけてしまう恐れがあるでしょう。
しかし新築一戸建ては建物が独立しているので、マンションと比較して隣近所との騒音トラブルに悩まされるリスクを軽減できます。
メリット3|月々の維持管理費が安価
マンションに住む際は、毎月一定の管理費や修繕積立金を負担しなければなりません。管理費・修繕積立金の相場は月2〜3万円ほどですが、住宅ローンの返済と合わせると経済的負担は大きいといえるのではないでしょうか。駐車場を借りる場合は別途駐車場代も発生します。
もちろん、一戸建ての場合も長期にわたって快適な暮らしを送るためには定期的なメンテナンスが不可欠であり、一定の費用は発生します。ただしハウスメーカーによっては保証期間内であれば無償で点検や補修工事などを行ってくれるところもあるので、マンションよりも月々の維持管理費は抑えられます。また、敷地内に駐車スペースを確保できていれば駐車場代も不要です。
メリット4|土地を所有できる
自分名義の土地を所有できる点も、新築一戸建てを購入するメリットのひとつです。
建物は新築直後をピークとして、時間の経過とともに資産価値が下がっていきますが、土地の資産価値はそれほど大きく変動することはありません。また、家の周辺で大規模開発が行われたり、新たに鉄道駅が開業したりした場合には資産価値の向上が期待できます。子どもに土地を資産として残せる点もメリットといえるでしょう。
マンションを購入する際にも土地の一部を持分として所有する形となりますが、自身の所有している土地の権利のみの売却はできません。
メリット5|子どもがのびのびと遊べる
一戸建て特有のメリットといえば、専用の庭ではないでしょうか。庭つきの一戸建てであれば、そこで子どもをのびのびと遊ばせられます。家の中で家事をしながら子どもの遊んでいる姿を見守れるので、大きな安心につながるでしょう。
デメリット1|マンションに比べアクセスが悪いことが多い
駅からのアクセスが比較的よいマンションに比べて、一戸建ては郊外に建てられることが多い傾向にあります。住環境がよいエリアで穏やかな生活を送れる点はメリットですが、駅までのアクセスが悪いことがある点はデメリットといえます。
デメリット2|階段が生活動線や老後を考えると不便
2階建てや3階建ての一戸建ての場合、階段での移動がネックになることがあります。たとえば洗濯機置き場が1階に、洗濯物干しスペースが2階にある場合は干す・取り込むと階段を往復しなければならず、想像以上に重労働です。
また、高齢となって足腰が弱くなった際に階段の上り下りがおっくうとなり、2階や3階の部屋をまったく使用しなくなったという方も少なくありません。一戸建ての場合、将来的に生活に支障をきたす可能性があることは念頭に置いておく必要があるでしょう。
デメリット3|維持管理を自身で行う必要がある
マンションでは管理費がかかる反面、管理会社が維持管理を行って良好な住環境を保ってくれるメリットがあります。それに対して、一戸建てでは建物の老朽化に伴うメンテナンスや庭の手入れなどをすべて自分で行わなければなりません。
外壁塗装に100〜150万円、屋根の塗装に50〜100万円、給排水設備工事に50万円、水回り設備の修繕・交換に100〜150万円など高額なメンテナンス費用がかかる点には注意が必要です。もちろんメンテナンスを行うかどうかは自分で決められますが、長期にわたって快適な生活を送るためには必要不可欠な費用といえるでしょう。
デメリット4|セキュリティー対策を行う必要性
オートロックや防犯カメラなどのセキュリティー設備が充実しているマンションと比べ、一戸建てのセキュリティー性能は低いといわざるを得ません。
窓からの侵入を防ぐために防犯性の高い窓ガラスやシャッターを導入したり、人が近づいたら自動で点灯する照明設備を設置したりするなど、セキュリティー対策にある程度の費用をかけなければならない点も一戸建てのデメリットです。
デメリット5|光熱費や通信費が高額になりやすい
じつは一戸建てとマンションとでインターネット回線料金が異なることをご存じでしょうか。同じ光回線であっても、一戸建てのほうがマンションよりも1,000〜2,000円ほど高いケースが一般的です。
一方、一戸建てはマンションよりも部屋数が多い分、光熱費が高くなりやすい点もデメリットです。光熱費を抑えるためには、なるべく気密性・断熱性の高い家を選ぶ必要があります。
購入方法(建売・注文)
一口に一戸建てといっても、すでに完成している、もしくは設計プランがあらかじめ決まっている「建売住宅」と、間取りから設計して所有している土地に建築する「注文住宅」の2種類があります。ここでは、それぞれの販売方法について見ていきましょう。
建売の販売方法
建売の場合、不動産会社が購入した土地に家を建て、土地と建物をセットで販売する形が一般的です。売主である不動産会社が直接販売するケース、売主である不動産会社から委託を受けた不動産会社が代理で販売するケース、不動産仲介会社が売主と買主を仲介するケースがあり、仲介を通じて建売住宅を購入する際には仲介手数料が発生します。
また、建物の完成前から建売住宅を販売することも少なくありません。
注文の販売方法
注文住宅は建売とは違い、住宅そのものが販売されているわけではありません。所有している土地にどのような家を建てるのかをハウスメーカーや設計事務所、工務店などと相談しながら決定し、そのプランに基づいて工事を行ってもらいます。
建売・注文のメリット・デメリット
建売住宅か注文住宅のどちらにしたほうがよいのか迷っている方は、ここでご紹介するそれぞれのメリットとデメリットを踏まえた上で検討することをおすすめします。
建売のメリット1|実物なら完成物を見てから購入できる
建売住宅のメリットは、すでに完成している実物を確認した上で購入を検討できる点にあります。間取りを見ても住み始めたあとのイメージは湧きにくいものですが、実際に家を見学して外観や内装、部屋の広さ、雰囲気をしっかりとチェックすることで購入後の失敗を防げるでしょう。
建売のメリット2|決断してから購入までがスピーディー
完成済みの建売住宅であれば、購入の決断から入居までの期間が短いメリットがあります。土地と建物のセット販売なので、ひとつの住宅ローンで土地・建物の購入費を一括で支払える点もメリットです。
建売のメリット3|注文住宅より安価に抑えられる
住宅金融支援機構の「2021年度フラット35利用者調査」によると、一戸建ての平均価格は土地付き注文住宅で4,455万円、建売住宅で3,605万円です。
建売住宅は基本的に間取りがほぼ同じであり、建材や設備などの大量発注、建築工程の合理化によるコストダウンが可能なため、注文住宅よりも購入価格を安価に抑えられるのです。
建売のメリット4|注文住宅よりも販売数が多いので選択肢が多い
注文住宅は土地ありきの販売形態ですが、売りに出されている土地の件数はそこまで多いわけではありません。それに対して建売住宅は土地よりも販売件数が比較的多く、エリアや間取りなどさまざまな要素を比較した上で理想の住宅を探せるメリットがあります。
建売のデメリット1|仕様が低ランクの場合がある
建物の部材や住宅設備などはグレードに応じて価格が大きく異なります。建売住宅の中には収益を上げるべく、あえて仕様のグレードを落としているケースもあるため、注意が必要です。
建売のデメリット2|施工中の工事監理が雑なことが多い
不動産会社によって異なりますが、中には人件費を節約するために施工中の工事監理がずさんなメーカーも存在します。下請けにすべてを丸投げして工事をまったくチェックしていないところもありますが、建売の場合はすでに建物が完成しているので工事の過程は確認できません。
建物の耐久性や耐震性に影響を及ぼす恐れもあるので、建売を購入する際は信頼のおける不動産会社かどうかを見極める必要があります。
建売のデメリット3|希望の間取りや仕様が反映されない
建売住宅の場合はコストを最小限に抑えるため、原則として間取りや仕様の変更はできません。1から間取りを設計できる注文住宅とは違い、自分たちの希望が間取り・仕様に反映されない点はデメリットといえます。
建売のデメリット4|受領できる設計図面が少ない
建売住宅の売主の中には、販売時に平面図や立面図などの設計図書を必要最低限しか渡してくれないところもあります。しかし設計図書は将来のリフォームやメンテナンス時に必要となることから、購入前にどのような図面を引き渡してくれるかを確認しておきましょう。
注文のメリット1|自由に内装や間取りを設定できる
注文住宅のメリットは、何よりも自分たちのライフスタイルに合わせた間取りを設計できる点にあるでしょう。また仕様も選べるので、好みの内装にすることも可能です。
ただし、ハウスメーカーによっては指定の住宅設備以外を導入する際には保証の対象外となることがある点に注意が必要です。キッチンや浴槽など、取り入れたい設備がある場合は事前に確認しておきましょう。
注文のメリット2|好きな場所に住める
土地から探して注文住宅を建てる場合は、海が見える高台や緑豊かな閑静な住宅街など好きな場所に住める点もメリットといえます。住みたいエリアが決まっていても、そこで建売住宅が売り出されているとは限りません。注文住宅はまず土地ありきなので、自分たちの意向に沿ったエリアに家を建てられるでしょう。
注文のメリット3|希望の施工会社を指定できる
建売住宅とは違い、注文住宅は建築・施工会社を自由に選べる点もメリットです。家を建てる会社といえばハウスメーカーが代表的ですが、地域に根づいた工務店や個性的な間取りを提案してくれる設計事務所などもあります。さまざまな会社の中から、自分たちの理想の住まいを実現してくれそうな1社を探しましょう。
注文のメリット4|設計図面をすべてもらえるのでリフォーム時など便利
注文住宅の場合は、建物の施工や法的な申請などに必要な工事用の設計図面、仕様書などを受け取れます。将来的にリフォームを行う際には平面図や展開図、設備図、電気配線図、竣工図といった現況図面をもとにリフォーム図面を作成しますが、もし現況図面がないときは新たに図面を作成する費用が発生することもあるので注意が必要です。
注文のデメリット|希望の土地を探すのが大変
土地から探して注文住宅を建てたいと考えても、希望するエリアで土地が見つからないケースも考えられます。また、土地ごとに建築できる建物の大きさや種類などが定められており、気に入った土地が見つかったとしても自分たちの思い通りの間取りが実現できるわけではない点も押さえておかなければなりません。
注文のデメリット2|土地探し~入居までの期間が長い
土地探しにかかる平均期間は約1年といわれています。注文住宅は土地に合わせて間取りを設計する必要があるので、そこから実際に入居するまでにさらに1年ほどの期間がかかってしまうでしょう。間取りや仕様を決定する打ち合わせ期間が長引けば、さらに時間がかかることも覚悟しなければなりません。
注文のデメリット3|土地代のみ先に支払う必要がある
注文住宅を建てる場合は土地を先行して購入する必要があります。土地代を現金で支払う場合はとくに問題ありませんが、住宅ローンの利用を考えている場合は「土地先行融資」や「つなぎ融資」を利用しなければなりません。
ただし一般的な住宅ローンよりも金利が高いため、利用前にはしっかりとした資金計画を立てることをおすすめします。また、金融機関によっては対応していないところもあるので、事前に土地代と合わせて住宅ローンを組めるかどうかを確認しておく必要があるでしょう。
注文のデメリット4|建売に比べ費用がかかる
注文住宅は自分たち好みの外観や内装、間取りを実現できる一方で、どうしても建売住宅より費用が高額になりやすい点がデメリットです。要望を詰め込んだ揚げ句、予算オーバーになってしまうケースも少なくありません。
注文住宅を建てる際は要望を洗い出した上で優先順位をつけ、こだわる箇所とこだわらない部分を明確にすることが大切です。
建売住宅を分譲する会社の種類
建売住宅を販売している不動産会社には、主にローコストの建売住宅を扱う「パワービルダー」、販売実績が豊富で全国展開している「ハウスメーカー」、地域密着型の「工務店」などがあります。
しかし、建売住宅を選ぶ際にいったい何を基準にしたらよいのかが分からない方もいるでしょう。購入後の後悔を防ぐためにも、以下の2点に注意して物件を探すことをおすすめします。
不動産会社の得意分野を見る
建売住宅を購入する際は、不動産仲介会社に依頼して探す形が一般的です。ただし一口に仲介会社といっても、全国展開している大手不動産会社から地域に根差した中小の不動産会社までさまざま存在します。
まだ住みたいエリアが定まっていない場合は、大手不動産会社がおすすめです。全国に支店がある会社が多く、どのエリアであっても対応してもらいやすいでしょう。
すでに住みたいエリアが絞られている場合は、その地域で長年営業している地元密着型の不動産会社に相談してはいかがでしょうか。独自のネットワークで仕入れた未公開情報を所有していることもあります。インターネット上では調べられない物件に出合える可能性もあるでしょう。
担当者を見る
よい物件を購入できるかどうかは、不動産会社の営業担当者の力量次第といっても過言ではありません。質問に対するレスポンスは早いか、物件のメリットだけでなくデメリットもきちんと伝えてくれるか、専門家の立場から適切なアドバイスをしてくれるかなどを確認し、信頼のできる営業担当者かどうかを見極めることが重要です。
建売住宅購入の流れ
ここからは、建売住宅を購入する際の一連の流れを見ていきましょう。
建売購入step1|情報収集・物件探し
建売住宅購入の第一歩は、情報収集から始まります。まずは希望するエリアで建売住宅が売り出されているかをインターネットや不動産会社などを通じて探しましょう。間取りや設備といった物件の基本情報に加え、通勤や通学はしやすそうか、公園や商業施設の有無など物件周辺の環境はどうなっているのかなども合わせて確認することをおすすめします。
建売購入step2|物件、モデルハウスの見学
数ある候補の中から自分たちの条件に合う物件がいくつか見つかったら、不動産会社に内見を申し込み、実際に物件の内部や周辺環境を確認します。このとき、日当たりや風通しなど物件情報からは得られないポイントもしっかりとチェックしておきましょう。
また、完成前の物件であってもモデルルームで仕様を確認できたり、建設中の工事現場を見せてくれたりすることもあります。
建売購入step3|購入申し込み(申込証拠金の支払い)
内見を通じて物件を気に入ったら、購入を申し込みます。申し込みは正式な契約ではなく、あくまでも購入の意思を示すためのものです。不動産会社の中には数万円ほどの申込証拠金の支払いを求めるところもありますが、売買契約の締結時に手数料などから差し引かれる形となるので安心してください。
ただし、申し込みをキャンセルする場合に申込証拠金を返金しないというルールを定めている不動産会社もあるので、事前に確認しておきましょう。
建売購入step4|住宅ローンの仮審査申し込み
住宅ローンの利用を考えている場合は、本契約前の段階で金融機関の仮審査(事前審査)を受ける必要があります。仮審査は住宅ローンを貸しても問題がないかを金融機関が判断するためのもので、結果が分かるまでに3〜7日ほどかかります。
一般に、年収に対する返済負担率は30〜35%が基準といわれています。たとえば年収が500万円の場合、年間の返済額が150万円、毎月の返済額が約12万5,000円であれば返済負担率が30%となるので、住宅ローンを問題なく借りられるでしょう。
建売購入step5|重要事項説明書の署名・捺印
金融機関の事前審査に無事通ったら、不動産会社から物件の詳細や契約条件など契約するにあたって重要な事項の説明を受けます。この説明内容が記載された書類を「重要事項説明書」といいます。のちの後悔を防ぐためにも、事前にコピーをもらって熟読し、疑問点があれば不動産会社に質問して解消しておきましょう。
物件に関する重要事項の内容に納得したら、重要事項説明書に署名・押印します。
建売購入step6|売買契約の締結(手付金の支払い)
重要事項の説明を受けたあとは、いよいよマイホームの売買契約を締結します。このとき、物件価格の5〜10%程度の手付金を支払う必要があるので、事前に手付金の金額を確認しておくと安心です。
建売購入step7|住宅ローンの本申し込み
売買契約締結後、金融機関に住宅ローンの本申し込みを行います。このとき、住民票や収入証明書、本人確認書類などの書類の提出が求められるため、どのような書類が必要となるのかを前もって確認し、準備しておきましょう。
結果が出るまでには約1〜2週間かかりますが、事前審査に通っているからとはいえ、本審査に必ずしも通るとは限りません。その万が一の事態を想定して売買契約に付記されるのが住宅ローン特約です。
売買契約に住宅ローン特約がついていたら、住宅ローンを借りられなかった場合に無条件で解約でき、すでに支払い済みの手付金も返還されます。しかし、住宅ローン特約がない場合は手付金が戻ってこない可能性があるので、注意が必要です。
建売購入step8|内覧・残代金の決済
物件が完成前で内覧していない場合は、売買契約の締結後に完成した住宅の仕上がりを確認する機会が設けられます。家が契約書や仕様書通りになっているかどうかをチェックしましょう。
また、物件の引き渡しとローンの実行、残代金の決済、登記申請は同時に行う形が一般的です。仲介手数料など建物代以外の諸費用は自己資金から支払う必要がある点を押さえておきましょう。
建売購入step9|物件引き渡し・入居
残代金の決済や登記手続きが終わったら、物件の引き渡しを受けます。事前に引っ越し日を決めて引っ越し会社の手配を行っておくと、新生活をスムーズに始められるでしょう。
注文住宅購入の流れ
次に、注文住宅を購入する際の流れについて解説します。
注文住宅購入step1|土地を探す
土地を所有していない場合は、住みたいエリアを決めるとともに、家を建てるための土地を探す必要があります。
ただし、建築基準法によって土地ごとに建築できる家の種類や面積などが定められている点に注意が必要です。土地を購入したにもかかわらず希望の家が建てられないといった事態を防ぐためにも、土地探しと施工会社選びは並行して行うことをおすすめします。
注文住宅購入step2|施工会社を探す
施工会社は、ハウスメーカーや工務店、設計事務所に大別されます。住宅展示場やモデルハウスを見学するなどして、自分たちの理想の住まいを実現してくれそうな会社を選びましょう。
注文住宅購入step3|敷地・地盤調査を行う
気に入った土地が見つかったら、敷地の測量や法規制の調査、地盤調査などを行います。注文住宅を建てる上で、土地の正確な形状や面積、法規制の把握は欠かせません。また、この先何十年にもわたって安心して暮らすためには、地盤強度の確認も不可欠です。
どの土地を購入しようとしているのかを不動産会社に伝えることで、適切なアドバイスやプランの提案を受けられるでしょう。ただし、土地の購入前に調査を行うには売主の許可が必要です。
注文住宅購入step4|土地の購入・契約締結を行う
購入する土地が決まったら、買付証明書を売主に提出し、契約日や土地の引き渡し予定日などを決めます。それと並行して複数の施工会社にプランや見積もりの作成を依頼し、自分たちの希望する家が予算内で建てられるかどうかを検討しましょう。
土地を購入しても問題ないと判断できたら、不動産会社から土地に関する重要事項説明を受け、売買契約を締結します。
注文住宅購入step5|建物のプランニング・設計をする
土地が無事に決まったら、今度は家を建ててくれる施工会社を決定します。施工会社によって特徴が異なるため、複数のメーカーの間取りや見積もりを比較した上で決めることが大切です。あらかじめどのような暮らし方をしたいのか、予算はどのくらいなのかを伝えておくことで、スムーズに間取りを作成してもらえるでしょう。
注文住宅購入step6|建築工事請負契約の締結と建築確認の申請を行う
家づくりを依頼する施工会社を決めたら、建築工事請負契約を締結します。契約金の相場は工事代金の5〜10%ほどですが、施工会社によって異なるので事前に確認しておきましょう。
その後、建築確認申請を行い、建築を予定している家が法令を満たしているかどうかを検査機関に確認してもらいます。申請は施工会社が建築主の代理として行う形が通常です。
注文住宅購入step7|住宅ローンの申込(つなぎ融資も検討)
建築確認が終わり、無事に建築確認済証が発行されたら住宅ローンの本審査を受けます。土地から購入する場合はつなぎ融資や土地先行融資を利用して先に土地代金を決済し、住宅ローンの実行時に返済する形が一般的です。
注文住宅購入step8|施工
建築工事に先立ち、土地に縄を張って最終的な建物の位置を確認します(縄張り・配置決め)。その後、地鎮祭を行ったらいよいよ着工です。工事の騒音などで近隣の方に迷惑をかけることになるので、工事が始まる前に近隣の方へ挨拶回りを行いましょう。
着工から完成まで、およそ3〜6か月ほどの期間がかかります。その間に住宅ローンの契約や火災保険への加入、引っ越しの準備などの手続きを行います。
注文住宅購入step9|物件引き渡し・入居
建物が完成したら、市区町村や民間の評価期間による完了検査を受けます。とくに問題がなければ、検査済証が発行されます。
建物の引き渡し前には施主立ち会いのもとで最終的なチェックが行われます。気になる不具合などがあれば、修繕を依頼しましょう。
物件の引き渡し日には金融機関の住宅ローンが実行され、残りの工事代金を精算します。また、建物の表示登記と所有権保存登記も合わせて行い、物件の引き渡しを受けて完了です。
費用・期間の目安
新築一戸建てを購入する際に、どのくらいの期間や費用が必要なのかが気になる方は多いでしょう。ここからは、新築一戸建て購入時にかかる期間や費用の目安について解説します。
期間
すでに完成済みの建売住宅の場合は、契約から入居まで2〜3か月ほどの期間がかかります。物件探しの時間を短縮できれば、その分、早期入居も十分に可能です。
一方、注文住宅の場合は土地探しに加えて間取りの確定までに時間がかかるため、1年〜1年半ほどは見積もっておく必要があるでしょう。建売住宅を購入するよりも余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
購入時に土地・建物代金以外で必要なお金
新築一戸建てを購入する際はどうしても土地代や建物代に目が行きがちですが、それ以外にもさまざまな諸費用が発生する点を押さえておく必要があります。
たとえば、購入したい建売住宅が見つかったら、購入を申し込む際に物件価格の5〜10%ほどの手付金が必要です。また、不動産売買契約や金銭消費貸借契約を交わす際には契約金額に応じて定められた印紙税も納めなければなりません。
そのほか、不動産の名義を自身に変更する際にかかる登録免許税、登記手続きを司法書士に依頼した際に発生する報酬、建売住宅を不動産会社の仲介で購入した際の仲介手数料、住宅ローン契約における事務手数料・団体信用生命保険料などもかかります。
諸費用は基本的に現金での支払いが求められるので、いざというときに慌てずに済むよう、事前にどのような諸費用がいくらかかるのかを把握しておきましょう。
住宅ローン
家の購入時に住宅ローンの利用を考えているときは、自身の年収に対してどのくらいの金額を借りられるのかを把握しておくことが大切です。一般的に年収の5〜7倍、年収に占める年間ローン返済額の割合が30〜35%以下が借り入れ可能金額の目安といわれています。
とくに土地から購入する場合はどうしても総額が高くなってしまいがちなので、今後の人生設計を考慮しながら事前に資金計画を立て、無理なく返済できる範囲で住宅ローンを組みましょう。
住宅費用の贈与
購入資金の一部を両親や祖父母からの贈与によって賄おうと考えている方もいるのではないでしょうか。年間110万円までの贈与であれば非課税ですが、110万円を超える贈与に関しては金額に応じた贈与税がかかります。たとえば1,000万円の贈与を受けた場合にかかる贈与税は「(1,000万円-110万円)×30%=267万円」です。
ただし、2023年12月31日までに両親などから贈与を受けて新築一戸建てを購入した場合、一定の要件を満たせば贈与金額のうち最大1,000万円が非課税となる「直系尊属からの住宅取得等資金の贈与の非課税制度」を利用できます。
相当の節税につながるため、新築一戸建ての購入時に両親などからの贈与を検討している場合は、取得予定の住宅が特例の適用要件を満たしているかどうかを確認することをおすすめします。
購入後のお金
新築一戸建ての購入後にも、さまざまなものを買い揃える費用が発生します。たとえば建売住宅にはカーテンレールやカーテン、エアコン、テレビアンテナ、網戸、照明器具など日常生活に欠かせない家具や家電が設置されていないケースがほとんどです。それらを新たに買い求めるだけで数十万円もの費用が発生してしまうでしょう。
また、マイホームの購入を契機として冷蔵庫やテレビ、洗濯機などを新しくしたいと考えている方もいるかもしれません。マイホームの購入代金に加えて、これらの家具や家電を買い揃える費用も考慮しておく必要があるでしょう。
新築一戸建て購入の失敗談
憧れのマイホームを購入したとしても、実際に住み始めてからさまざまな理由によって後悔する方も少なくありません。家は何千万円にも及ぶ高い買い物であるため、できるだけ失敗したくないと考える方は多いでしょう。
そこでここでは、新築一戸建て購入後のよくある失敗談をご紹介します。失敗例を教訓とし、マイホーム購入後の後悔を防ぎましょう。
よくある後悔ポイント
マイホーム購入後のよくある後悔ポイントは、以下の4点です。
・住宅ローンの返済が厳しい
・人生設計が変わってしまった
・周辺の環境が合わない
・設備や間取りに過不足がある
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
住宅ローンの返済が厳しい
マイホーム購入時に借り入れ金額の上限一杯の住宅ローンを組むことはおすすめできません。とくにボーナス払いを設定している場合は要注意です。
住宅ローンの返済期間は最長で35年ですが、その間に経済情勢がどう変化するのかは誰にも予測がつきません。たとえば当時はボーナスが満額支給されていたとしても、10年後に大幅に減額されるケースも十分考えられるでしょう。また、勤続年数に応じて給与の上昇を見込んでいたとしても、上がるどころか下がってしまうこともあり得ます。
収入が減少すれば、その分、毎月の住宅ローンの返済が厳しくなってしまいます。住宅ローンを借りる際には、現在だけでなく将来にわたって無理なく返済が可能かどうかをしっかりと検討することが重要です。
人生設計が変わってしまった
終の住処としてマイホームを購入したとしても、突然の転勤を余儀なくされることもあるでしょう。また、夫婦共働きを前提としてペアローンを組んだものの、妊娠や出産により妻が仕事を続けることが困難となるケースも珍しいことではありません。
マイホームを購入する際は、この先の人生に待ち受けるであろうさまざまな出来事を具体的に予想して計画を立てることをおすすめします。
周辺の環境が合わない
新築一戸建ての購入時に周辺環境をしっかりと確認したつもりであっても、夜間の騒音や近隣トラブルなど住み始めてからでなければ気がつけないこともあります。マイホームを購入すると、そう簡単には引っ越せません。購入後の後悔をできるだけ避けるためには、購入前のしっかりとした調査が不可欠といえるでしょう。
設備や間取りに過不足がある
設備や間取りに関する後悔も、実際に住み始めてから起こりがちなものです。内見時には収納量の豊富さがメリットと感じても、結局使い切れずに持て余してしまうケースも少なくありません。
また、2階にリビングがある家は日当たりがよく快適に過ごせます。しかし1階に洗濯機置き場、2階に洗濯物干しスペースがある場合は洗濯を干すためにいちいち往復しなければならず、意外と大変です。
建売住宅の場合は、実際に入居後の生活をしっかりとイメージする必要があります。また、注文住宅では間取りの打ち合わせを綿密に行うことで、入居後の後悔を防げるでしょう。
新築一戸建て購入の注意点・対策
マイホームで何十年にもわたって快適な生活を送るためには、購入前にさまざまな角度から検証する必要があります。ここでは、新築一戸建ての購入時に押さえておきたい5つの注意点を解説します。
立地
新築一戸建て選びでもっとも大切な要素は「立地」です。家の内装や設備とは異なり、立地条件は変更できません。購入前には、実際に暮らしやすい立地かどうかを確認しましょう。
地盤・自然災害の可能性
自然災害がいつ発生するかは誰にも予測ができませんが、災害に遭いやすいエリアかどうかは自治体が発行しているハザードマップを見れば分かります。たとえば河川が近くに流れているエリアであれば、洪水ハザードマップを見ることで浸水の想定範囲や程度を確認できます。
また、古い地形図や過去の土地の履歴などからは地盤沈下や液状化のリスクなどを読み取れます。生活の安全を確保するためにも、新築一戸建てを探す際には災害リスクの有無について調べることをおすすめします。
最寄り駅、通勤・通学の利便性
新築一戸建てはマンションとは異なり、最寄り駅からの距離が離れているケースが一般的です。中にはバスを使って駅まで行かなければならないこともあるでしょう。
購入前には許容できると思ったとしても、毎日通勤や通学を続ける中で、それが負担となってしまうケースは少なくありません。また、ドア・ツー・ドアで片道2時間以上かかる場合も快適な生活環境とはいえないでしょう。新築一戸建ての購入時には日々の通勤・通学も念頭に置く必要があります。
周辺環境・治安
一般的に駅から離れたエリアほど、夜になると道が暗く、人通りも少なくなりがちです。一方、賑やかな繁華街も治安が悪化しやすい傾向にあるため、注意しなければなりません。子どもや女性でも安全に過ごせるエリアかどうかも確認する必要があるでしょう。
また、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、病院などの施設も快適な生活を送るためには欠かせません。
道路の幅
土地を購入する際に気をつけたいのが、敷地に面している道路の幅です。建築基準法では幅員4m以上の道路に2m以上接している道路でなければ建物を建てられません。また、家を建てる際にセットバックを行い、道路の中心線から2mの位置にまで敷地を下げる必要のある土地も存在するので、注意が必要です。
敷地面積・間取り
建売住宅の場合はすでに間取りが固定されているので、自分たちの生活に合っているかどうかをしっかりと検討しましょう。
一方、注文住宅を建てる際には購入した土地に対して自分たちの思い描く間取りを実現できるかどうかを確認することが大切です。また、何台分の駐車スペースを確保する必要があるか、庭は本当に必要なのかなども考えるとよいでしょう。
将来性
購入した新築一戸建てにはこれから何十年にもわたって住むことになるので、現状だけではなくそのエリアが秘める将来性にも着目することをおすすめします。
たとえば今後人口の増加が予想され、大規模開発が行われるようなエリアでは地価の上昇が期待でき、もし売却することになったとしても比較的早期に買主が見つかるでしょう。
しかし過疎化が進み、商業施設なども閉店を余儀なくされるような地域では資産価値の減少は避けられません。売りに出しても、なかなか買主は見つけにくいでしょう。将来の住みやすさ、環境の変化を見越して新築一戸建てを購入することをおすすめします。
物件
建売住宅のメリットは、すでに完成済みの家を確認してから購入できる点にあります。しかし、購入時には見た目の新しさについ目を奪われてしまい、細かい不備や不具合に気がつけないケースも少なくありません。入居後の後悔を防ぐためにも、購入前には物件をしっかりと確認するようにしましょう。
家の状態をチェック
建売住宅の購入時には、家の性能面をチェックすることをおすすめします。たとえ見た目がよかったとしても、構造躯体など目に見えない部分で問題を抱えているケースも珍しくありません。
住宅の性能は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて定められた住宅性能表示制度による等級を見れば一目瞭然です。もし不安な場合は、ホームインスペクション(住宅診断)を依頼して専門家に確認してもらう方法を検討するとよいでしょう。
維持管理面を考慮
マイホームの性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。たとえば外壁は10〜15年を目処に塗装が必要です。また、木造住宅であれば5年ごとのシロアリ対策も不可欠でしょう。
しかし、メンテナンス費用は決して安いものではありません。毎年一定の費用が発生するわけではありませんが、将来の修繕に備えて年間で30〜40万円ほどは積み立てておく必要があるといわれています。家を購入する際には、将来的な維持管理面も考慮しなければなりません。
費用や間取りに優先順位をつける
予算は有限であり、自分たちの希望をすべて間取りに反映できるわけではありません。そのため、新築一戸建ての購入にあたっては資金計画を立てた上で希望条件を洗い出し、優先順位をつけましょう。どうしても取り入れたい箇所、妥協できる部分を明確にすることで、スムーズな家の購入が可能となります。
近隣
近隣にどのような方が住んでいるかも、住み始めてからでなければなかなか気がつけないポイントのひとつです。いったいどのようにして確認をすればよいのかについて解説します。
モンスタークレーマーやご家族と相性が悪い隣人がいないかを調べる
生活音、ペットの臭いや鳴き声、ゴミ出しなどを巡って近隣トラブルが発生することは珍しくありません。また、子どもに危害を及ぼす不審者が多発する地域もあります。せっかく購入したマイホームの近隣にトラブルを起こしそうな方が住んでいたら、安心して日々の生活を送れなくなってしまうでしょう。
そのようなトラブルを避けるためにも、新築一戸建ての購入前には近隣の方の情報もしっかりと収集し、モンスタークレーマーや家族に危害を加えそうな方がいないかどうかをチェックしておく必要があります。
隣人についての調べ方
快適な生活を送るために近隣情報について調べたいと思っても、いったいどのようにすればよいのかが分からない方も多いでしょう。そのような場合は、ぜひトナリスクにご相談ください。
トナリスクは近隣にどのような方が住んでいるのか、隣人への聞き取りや現地視察などを通じて徹底的に調査するサービスです。第三者に代わりに調査を行ってもらうことで、実際に住み始めた後に近隣の方と角が立つことを防げるでしょう。建売住宅や土地をより安心して購入したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
内覧
建売住宅を内覧する際には、間取りに加えて設備や物件の周囲など細かいところまでチェックしましょう。とくに意識して確認しておきたい5つのポイントをご紹介します。
点検口の有無・位置
床下や屋根裏などに取りつけられている点検口は、住宅のメンテナンス時に必要なものです。点検口がなければ建物内部の確認が困難となるので、点検口の有無や設置されている場所についてはしっかりと確認しておきましょう。
水回りの配置
キッチンやトイレ、洗面所、浴室など毎日使うことになる水回りは快適な生活を送るためには欠かせないものです。標準仕様の設備のグレードを確認するとともに、実際に生活をした際の家事動線を意識してチェックしてみましょう。
また、水圧や給排水時の水の流れ、水漏れの有無もできれば確認しておきたいポイントです。内覧時に水道を使用することは基本的にできないので、契約後に確認し、不具合が見つかった場合には修繕を依頼しましょう。
トイレの換気扇の有無
じつは建売住宅の中には、トイレに換気扇がついていない物件もあります。その場合、トイレの臭いが外に排出されずに室内へ流れ込んでしまいかねないため、しっかりと確認することをおすすめします。
隣の住宅との距離・窓の位置
建売住宅の内覧時には部屋の窓を開け、そこから見える景色を確認しましょう。窓の位置によっては隣の家から室内を見られてしまいかねません。また、太陽光や風をうまく取り込めない場所に設置されていることもあるので、日当たりや風通しの良し悪しも合わせて確認しておきたいところです。
ドアや窓の強度・品質
新築とはいっても、室内ドアや窓の建てつけが悪い場合もある点に注意が必要です。スムーズなドア・窓の開閉が可能かどうかは内覧時にチェックしましょう。また、資材搬入時についた傷が残っているケースもあるので、注意が必要です。
また、窓は家の断熱性能を大きく左右するといっても過言ではない設備のひとつです。断熱性能の高い複層ガラスやサッシを使用しているかどうかも合わせて確認しておきましょう。
購入
建売住宅、注文住宅を購入する際には以下の5つのポイントに注意しましょう。
注文住宅の場合は、会社選びを念入りに
大手ハウスメーカーであれば、品質が安定していて工期も短く、充実したアフターサポートを受けられるメリットがあります。しかし、広告費が建築料金に反映されて建築代金が高い、標準仕様以外の設備を選ぶと高額のオプション料金が発生するなどの点はデメリットといえるでしょう。
工務店のメリットとしてはハウスメーカーよりも比較的価格が抑えられる、地域の特性を活かした家づくりができるなどが挙げられます。ただし、品質は職人の腕に左右されるところがあり、工務店によって仕上がりにバラつきが出てしまう点は否めません。
一方、設計事務所は設計のプロとしてライフスタイルに応じた最適な間取りを提案してくれる点がメリットです。しかし、1邸ごとに仕様や規格が異なるので建築代金が高くついてしまいがちです。また、土地探しのサポートをしてくれない点もデメリットといえます。
注文住宅を建てる場合はハウスメーカー、工務店、設計事務所のそれぞれの特徴を押さえた上で慎重に検討することをおすすめします。
耐震性をチェック
地震大国である日本において、安全な暮らしを送るためには家の耐震性が重要です。家を購入する際には、耐震性の指標である耐震等級を確認するようにしましょう。
耐震等級は1〜3の3段階に分かれており、数字が大きいほど耐震性に優れていることを示しています。
耐震等級1は震度6強〜7程度の地震が発生しても倒壊や崩壊の危険がない、震度5の地震が発生しても損傷を生じない程度の耐震性のことで、建築基準法で定められている最低限の基準です。耐震等級1の1.25倍の耐震性能を備えているのが耐震等級2で、学校・病院など公共性の高い施設に求められるレベルです。
耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の耐震性を備えており、警察署や消防署など防災の拠点となる建物に要求される水準です。
ただし、耐震等級を取得するには住宅性能評価機関の認定を受けなくてはなりません。認定を受けていない建物は耐震等級3「相当」などと表現されていることがありますが、この場合はフラット35Sの金利優遇や地震保険料の割引などを受けられないため注意が必要です。
重要事項説明を確認する
不動産の取引を行う際、不動産会社は宅地建物取引業法に基づき、売買契約前に買主に対して重要事項の説明を行わなければなりません。建売住宅の購入時には宅地建物取引士が、注文住宅を建てる際は建築士が重要事項説明を行います。
重要事項説明書には物件情報や完成時の形状・構造、法律に基づく制限、給排水施設の状況、住宅性能評価を受けている場合はその旨、契約の解除に関する事項、手付金や支払金の保全措置の概要などが事細かく記載されています。
購入後のトラブルを回避するためにも、重要事項説明の内容をしっかりと理解するように心掛けましょう。疑問点がある場合はうやむやにはせず、その場で確認することが大切です。
購入費用に含まれる項目を事前に確認する
新築一戸建ての契約時に気をつけたいのが購入費用の内訳です。とくに建売住宅の場合はカーテンレールや網戸などオプション仕様となっているものが多く、追加で費用が発生しがちです。購入前に、どこまでが標準仕様でどこからがオプションなのかを明確にしておきましょう。
完成前に全額を支払わない
新築一戸建てを購入する際は、完成前に購入費用の全額を支払わないことが重要です。建築会社の中には、お金を全額受け取った途端、親身に対応してくれなくなるところもあります。また、仮に建築途中で建築会社が倒産してしまった場合、すでに支払い済みのお金を取り戻すことは難しいでしょう。
建物の完成後に不具合や不備がないかどうかを確認した上で決済を行う形が理想です。
住宅ローン対象物件か
住宅ローンを借りる際に、全期間固定金利型のフラット35の利用を考えている方もいるでしょう。しかしフラット35には利用できる物件に対して独自の基準が設定されており、購入する家によっては利用できない場合がある点に注意が必要です。
たとえば、一戸建ての場合は床面積が70㎡以上なければなりません。また、購入する新築一戸建てが住宅金融支援機構の定める技術基準を満たしていることを示すために適合証明書を取得する必要があります。
【まとめ】新築一戸建て購入の対策
ここまで、新築一戸建てを購入する際に押さえておきたい注意点について解説してきました。購入後の後悔を防ぐためには、購入前にどのような点に気をつければよいのかを把握するとともに、適切な対策を講じることが重要です。とくに以下5つのポイントを意識しましょう。
予算は細かく計画する
家を購入する際には、建物代だけではなく印紙税や登録免許税、火災保険料、住宅ローン事務手数料などといったさまざまな費用が発生します。また、購入後にも固定資産税や都市計画税といった税金や維持費がかかることも頭に入れておかねばなりません。
しかし事前に家の購入にかかる金額の全容を把握しておけば、いざという時に慌てずに済むでしょう。家を購入するときは、より詳細な資金計画を立てることがポイントです。
間取りに優先順位をつける
夢のマイホームを購入するにあたり、自分たちの希望をなるべく反映させたいと考える方は少なくありません。しかし予算には限りがあります。また、土地から購入する場合は法的な制限により、必ずしも希望する建物が建てられるとは限りません。
そのため、家を購入する際にはどのような間取りや設備を希望するのか、優先順位をつけることをおすすめします。予算を考慮しながら妥協できる範囲を明確にすることで、購入後の後悔を防げるでしょう。
ライフステージの変化を想定する
新築一戸建てを購入するときは、ライフステージの変化を想定しておくことが大切です。将来的に子どもが増えたり、親の介護のために同居することになったりする可能性も十分に考えられるでしょう。そうしたライフステージの変化に対応が可能な家かどうかを踏まえた上で物件探しをすることをおすすめします。
第三者検査を行う
新築一戸建ての中には、工事監理が適切に行われておらず、施工ミスを起こしている物件もあります。建物の基礎や構造に重大な欠陥を抱えている物件はその後の建物の安全性に影響するのみならず、資産価値を下げる要因になりかねません。
これから何十年先も安心して暮らせる家を購入したいのであれば、購入前に第三者機関による住宅検査を受けるとよいでしょう。
周辺環境を事前に徹底調査
建物の周辺環境は生活の質を大きく左右する要素のひとつです。しかし自分たちの力では変えられないものなので、購入前の徹底調査が欠かせません。
家の周辺の交通量や道幅の広さ、商業施設・医療機関・公園などの有無などに加えて、日中と夜の雰囲気の違いも事前に確認しておくと安心です。
また、近隣にトラブルを起こす方が住んでいるかどうかのチェックも重要です。近隣トラブルは法的措置が取りにくく、自治体や警察に相談しても解決が難しいケースがほとんどです。生涯にわたって安心して住める場所かどうかを確認するためにも、近隣にどのような方が住んでいるのかを事前に調査しておきましょう。
どのように調査をしたらよいのかが分からない、近隣の方に直接話を聞いて不快に思われたくない方は、大手探偵会社のグループ会社であるトナリスクにご相談ください。隣人調査のプロが近隣の方の評判や物件周辺の雰囲気、町内会のルールなどを徹底調査いたします。
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